街かど
その3年前の2017年の9月頃から、投資を募り、物件探し。
2019年の(日本で言うところの)冬頃だったかしら。
このビルの2階~4階を借りて、「酒屋&角打ち」をオープンしてはと勧められました。
お家賃は
「120万円のところを、知人からのツテなので80万円/1か月に負けてくれる」
ので、どう?
投資家もこの会社で4件目で。
もう二年半もやっているのに、なかなか決まらない。
人間、焦るとふらーーーっと、危険な淵に立ってしまっているのにも気づかないですね。
足元をしっかり見ると、地獄が覗けているというのにね。
何度も収支計算書を書き直して…。
この「数字」というのも実に危険。
文章のレトリックと同様、盛ってしまうのですよね。
普通の精神状態だったら、速攻で断るところ、一か月ぐらい玉虫色の返事をしてしまって、
プロデューサーの方にも迷惑を掛けたなと思います。
一か月考えて、我に返り、やはりお断りしました。
その後別のプロジェクトでこの物件は、高級和食レストラン&会員制バーになりました。
「会員制バー」という画期的な取り組みでしたが。
結局、予想通りにはお客様を獲得できなかったのか、まもなく閉店し。
その後、睦庵さんが入られましたが、コロナになり。
先日通りかかったら、ビルの取り壊し中でした(全面改装かも知れませんが)。

もしあの時、このビルを借りていたら。
おそらく3か月も持たず、家賃滞納、夜逃げの運命をたどっていたかも知れません。
私のことだから、日本から資金をつぎ込んで、なんとか家賃や給料だけは支払って、
パリーン状態で日本に帰っていたことだろうと思うと。
このビルを見るたびに、苦い気持ちになるのです。
そして、その思いをしっかりと教訓にしてゆきたいと思います。