心を動かされた話
ドンナイ省「ロンドゥック」にある
「JAPAN BEST FOODS」さんの、
工場見学をさせていただいた。
ホーチミン市内から、
グエンフーカン通り、高速道路を走って小一時間。
整然として広大なロンドゥック工業団地に到着。
昼前の時間帯だったので、表には人っ子一人見あたらないが、
この建物内で、何百、何千という人たちが働いているのかと思うと、
不思議な感じがする。
「JAPAN BEST FOODS」さんは、
おにぎりやサンドイッチ、お弁当などをコンビニやスーパーに
卸ていることで知られているが、食肉も食材として卸している。
工場内のことについては、撮影はもとより、
詳しく書くことは控えさせていただくが、
そのオートマチック化、風味の追及、新商品開発への情熱の他、
たいへん感動したことがある。
安心・安全のための徹底した「管理システム」だ。
この工場内では、135名が働いており(うち日本人7名)、
誰もが一目で、注意点が分かり、
事故が防げるような工夫が随所に施されている。
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さて、その夜。
最近面白いなと思っているテレビドラマ「下町ロケット2」の話が出た。
ドラマでは、トランスミッションの天才エンジニア(イモトアヤコ)が登場する。
ウチの店に、トランスミッションで世界一のシェアを誇る欧米会社の方がいらして、
これまで、他のお客様に「どんな仕事をしていらっしゃるのですか?」
と聞かれても、
「車はお詳しいですか?」
と、前置きした上で、それも「かいつまん」でしか説明されなかった。
車の構造に詳しかったり、自分で車を整備する人なら、興味を示されるのだが、
ほとんどの人が、ちんぷんかんぷんで、私もまったく…。
それが…。
「下町ロケット2」を観ていて初めて、
「ああ、これのことか!」、
トランスミッションについて、少し身近に感じたように思った。
私がトランスミッションについて知りたいと思ったのを感じてくださったのか、
映像を見せながら、簡潔に説明してくださった。
https://www.youtube.com/watch?v=ajamXSD8BgA
※Bosch Japan 「ボッシュ CVT 自動無段変速機の紹介」
数百枚の独立した「スチールエレメント」と、
「プッシュベルト」によって、
ドライバーに最高の快適性を提供し、
燃費とCO2排出量を最大7%削減している。
「この部品(エレメント)と、ベルト、
たった二つだよ、
このたった二つで、世界最高のトランスミッションを実現している」
たった二つ…。
凸と凹。
陰と陽。
男と女。
世界は、たった二つで構成されている。
それが秩序の源だったのに違いない。
(実際はそうはならず、カオスなのだが)
なんてシンプルなんだ!!
あまりの美しい構造に感動して、しばし呆然とした。
そしてそのたった二つの部品の製造に
「完璧」を求めて、最大の安心と安全を実現している。
「世界最高峰」と言われる所以を思った。
………
奇しくもお二人の工場長さんから、
同じ日に、製造のお話をお伺いして、
感動の一日だった。