日々の雑感
日本から進出希望の蔵元、メーカー、商社、代理店などが
この一年半ほどで、50社を超えました。
(厳密には2回、3回と、足をお運びくださっている
蔵元さん、企業さんもいらっしゃいますが…)。
50社を超えてくると、そろそろ傾向が見てくるわけで。
「上手く行く人」と「上手く行かない人」の差は、
いったいどこから生まれるのだろう…と考えるようになりました。
原因を特定することは難しいと思いますが、傾向があります。
進出してくる目的意識や真剣度の低い人は論外だとしても。
メールを送る、サンプルを送る、書類を送る、
多くのやるべき段階があって、その一つ一つの確認が、
しかるべきタイミングで、取れていない。
つまり詰が甘い人は、当然、上手く行きません。
ご存知のように、ホーチミンのサプライヤーさんたちは、
日本酒だけを扱っているわけではなく、
すべての食材、食品、加工食品、飲料、調味料、その他のアルコール類
すべてを取り扱っています。
次から次へと日本から輸入されて来る商品群に、作業が追い付かない。
その中で、取扱量・収益率が高くない「日本酒」は二の次、
放ったらかし状態になることも、ままあります。
彼らにとって難しい、外国語名の商品サンプルが、
次から次へと送られて来ても、
日常の業務に加えて、ですから、処理しきれないのでしょう。
私のところへも「サンプル送りますので、住所を教えてください」
という日本の業者さんがいらっしゃいます。
商品登録、輸入手続の済んでいない商品は、
税関で引っかかりますし、
引き取りに行くのは、たいへん!
と、いうことも分からない方たちも、結構いらっしゃる。
サプライヤーさんが、
大手エクスポーター(商社)を指定されるのも、
そんな背景があったのでは?と推察するに難くありません。
日本ではありえないかも知れませんが、
日本からベトナムにメールを送っても、
往々にして「なしのつぶて」になることも。
そんな時は、「待って」いても埒はあきません。
一つずつ潰して、確実に進めてゆく根気が要ります。
そこをおざなりにする、というか、引っ込み思案な方、
結構いらっしゃるのですね。
「あまり催促しても…失礼かな」
なぁんて遠慮していたら、一年でも二年でも放ったらかし、
先方は、失念しているだけなんだと思います。
挙句の果てに、「ベトナムは上手く行かない!」
確かに、他の国々に比べたら、やりにくいようですが…。
一方、上手く行く人は、短期間で、何事もなかったように
話をまとめてゆきます。
「あら?こないだご挨拶にいらしただけなのに、
もう、入荷(輸出入)されたの?」
拝見していると、佇まいが、どこかリラックスしている。
上手く行かないことも、
「世の中には、こんなこともあるさ」
と、達観しているというか、笑い飛ばしているというか。
日本の「商習慣」や「常識」と照らし合わせて、
一々あげつらい、ストレスに感じているような線の細い人では、
ベトナムだけでなく、世界のどこに行っても、
「上手く行かない」不運を呼び寄せてしまうのかも知れません。
そして、必ずどなたか、確かな筋で、
海外進出に慣れているキーパーソンと組んでおられる。
「誰と一緒に仕事をするか」が大切
と、言われるゆえんですね。
「いや、我々は、何も…。みなさまのおかげです」
と、涼しい顔をしている方が、
結局は結果を出している…成功しているようで、不思議です。