歴史、文化、風土
【自国の文化について知らない人は、軽んじられる?】
時々、日本の古事記、神話の世界で、話が盛り上がる時があります。
二年程前。
夜中の1時頃まで話し込んだ方はもう帰任してしまいましたが、
「鳥取県」の方でした。
そして昨日、夜中まで「日本の神話」の話で盛り上がった方も、
「鳥取県」の方でした。
彼曰く。
「島根県の人たちは、もっと詳しいよ」
奈良県出身の私も、
2012年に「古事記と日本書紀、編纂1300年」を迎え、
国と県をあげての盛大なイベントが開催されたのと、
元々神話はどこの国のものでも好きでしたので、
日本の神話についても、いろいろと読みました。
2012年のイベントで、奈良県と島根県はコラボレーションしたのですが、
すでに天皇の時代が始まって、神々の記録を編纂した奈良県と、
出雲大社はじめ、古代の神々の逸話が残る、
シンボリックな場所や対象物が多く存在する島根県の、
神秘の奥深さと、信仰心の篤さ、誇りに、驚いたものです。
「僕たちは小学校の時に、(日本の神話について)習うもの。
教科書にも載っていたよ」
戦後、日本は綿々と受け継いできた神話や精神について、
学校教育の中で教えることを変えさせられてきたように思うのですが、
地方では、きちんと教えていたのですね。
それをこうして日本を離れて、ベトナムで、
ドイツの会社に勤務しておられる方と、話していることが不思議に思えます。
よくよく考えれば、私が日本文化の発信を仕事として選んで来たのは、
奈良の能楽堂で、たまたま隣に座ったことから仲良くなった、
ヨーロッパとアジアとの狭間の国の友人の言葉がきっかけでした。
「日本人って、いったいどうなっているんだ?
自分の国に誇りを持っていないばかりか、自国の文化について何も知らない。
質問しても、何も答えられない!日本人はStupidだ!」
自分の国を悪く言われるのも悔しいですが、困ってしまって…。
「それが、戦争に負けるってことだよ」と説明したのですが、
同じ国からの介入(代理戦争)によって、
祖国を追われ難民になり、その心労で両親を亡くした彼には、
理解しがたかったのでしょう。
「どの国に行っても、日本人ほど、
自国の文化について語れない人はいない。
そういう人たちは、軽んじられるよ」
その言葉が、今でも強く残っているのです。


※日本電子専門学校の学生さんたちと、
授業でビジュアル・コンテンツを作ったときには、
こんな本も活用しました。
神々の名前は、見慣れない難しい漢字がズラズラっと…
漫画ならキャラ立ちしているので、分かりやすくて楽しいです。