日々の雑感
これから、どう店を運営していくか、店舗マネージャーと話し合う。
以前、バーの運営を任せられていたので、ひととおりのことは心得ている。
どんどん意見を言い、提案もしてくる。
まだ25歳だが、頼もしい存在だ。
彼も優秀だが、前に教育してくれた日本人たちのおかげでもある。
勉強熱心で、11/1(日)に受講するSAKE講座「WSET」の払い込み時に渡されたテキストも、
すでに一通り目を通したと言う。
「テキスト、全部、英語でしょう?分かった?」
と聞くと、
「よく分からなかった」
と正直だ。
「でも、SAKE、KOUJIなど、日本語がそのまま英語になっている単語も多いから」
ベトナムの人に、このアドバイスは変だw。
しかし「麹」は、知っているようだった。
実家で自家製酒を造ることもあると言う。
特に、風味の表現が良く分からないと言う。
なるほど、言葉は調べれば分かるが、風味の表現は、日本人でもよく分からんわ。
「(ロンドンの教育機関の)WSETだから、ワインの風味の表現を使うと思うのね」
あとは、実際に試飲してみて、「違いを感じる」ことが大切だと思う。
「講師は日本人の先生だから、(英語が)聴き取り安いと思うよ」
このアドバイスも、ベトナムの人には変だ。
それに今しがた、すべてに子音を付ける日本人の英語を「Japalist」と言うのだと、教えてもらったばかりだ。
だが、酒ソムリエのJesseを取材させていただいた時、弾丸のようなアメリカン英語は、
私はもちろんのこと、彼も半分も理解できなかったらしい。
さて、前置きが長くなったが。来週、数日間、故郷に帰ると言う。
兵役の検査があるそうだ。
19歳から27歳の五体満足で健康な男子で、学生以外はすべて対象となるそうだ。
検査に合格すると、2年間の兵役が課せられる。
「カンボジアとの国境を守りに行かなければならない」
というのだが、直近の歴史を紐解くと、それは相手の言い分ではないかとは思うのだが…。
現在彼がここにいて、毎年、審査があるということはどういうことか、
また、兵役についての考えや、
私は他国の制度に対する意見など言う立場ではないため、
ここでは差し控えるが。
「でも、実際に戦争になったら、全員、行くことになる」
「………」
さしづめ、経験がないため、掛ける言葉がない。
「………検査に合格したら、お国のために、がんばってね」
第二次世界大戦前(戦前と書くと、アメリカ人から「どの戦争?」と聞かれるので…)。
母親たちは、どんな気持ちでこの言葉を息子に掛けたのだろうとふと、思う。
この時、私の口から出た言葉は、私の言葉ではない。
テレビドラマや、映画で話している、俳優たちのセリフだ。
しかし、これがリアルなのだなと思った。
中央奥に見えるのが、フーコック島最西端から見たカンボジア。
ここにも軍隊の駐屯所がある。