日本酒
【「獺祭」に似た日本酒はありますか?されど「獺祭」】
さっそくメニュー(一覧表PDF)を送る。
スタッフのTuさん。
「メニューだと、良く分からないんじゃない?」
続いて、封の空いていないボトルをリーチインショーケースごしにスマホで撮って送る。
「獺祭が欲しいです」
あいにく封の空いてないボトルがありません。すると、
「獺祭に似たような風味のお酒はありませんか?」
なかなか難しいご質問です。
65銘柄ある日本酒のそれぞれに微妙な違いがあって、それが分かるだけに。
むしろ「ドライ」「フルーティー」など風味の違いでご指定されるとおすすめしやすいのですが。
ただ「純米大吟醸」の獺祭に、似ているからと言って「純米吟醸」をおすすめすると「違う」となるかも知れません。
それほどに「Junmai Daiginjo」という言葉はすでに世界的に知られており、
「何にしましょうか?」と聞くと、「とにかくJunmai Daiginjo」と仰る外国人の方が多いのです。
そこで封の空いてない純米大吟醸2種の写真をお送りしました。
Tuさん
「『華思い』も『池雲』も、ちょっと甘いんじゃない?」
ほらね、味を知っていると、こうなるのです。
「でもきっとこのお客様は、純米大吟醸が欲しいのだと思う」
ということで「池雲 純米大吟醸(京都:池田酒造)」をお買い上げいただきました。
ちゃっちゃと事前振込くださって、ご自分でデリバリーを手配されて。
こういう「今、持って来て」と電話されてくるお客様、韓国人の方、ベトナム人の方に多いです。
「チャットだったら、ママ、遅いから(英語対応だしね)、電話の方が早いね(ベトナム人同士だしね)」
Tuさんがいてくれて、本当に助かった~(涙)
っていうか、日本酒って、こんな夜に「今、持ってこい」みたいな感じで売れるなんて思ってもいませんでした。
注文したお客様のところでは、今、宴もたけなわ…な感じなのでしょうか。
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そして昨日。
20代の男子4人グループがどやどやと角打ちに。イケてるベトナム人男子たち。
「『獺祭』みたいな日本酒、ありますか?」
一人は流暢な日本語を話します。
同じく「純米大吟醸」のことだとして、当店には7種類の純米大吟醸があります。
「池雲」
「如空 華思い」
「作 雅乃智 中取り」
「仙禽 クラシック 亀の尾」
「楯の川 清流」
「獺祭 45」
「醸し人九平治 雄町 SAUVAGE」
蔵元さんが無難に「純米吟醸」ばかり出してこられるので、純米大吟醸の種類が少なくなります。
一方、純米吟醸は21種類、約三倍の取り扱いがあります。
確かに「純米大吟醸」少しお高くなるので、売りづらいと思われるのかも知れませんね。
「獺祭」に似た日本酒なら、なぜ「獺祭」を飲まないのかというと、すでにその味は知っているとのことでした。
「醸し人九平治 雄町 SAUVAGE」をお出ししたところ、「気に入った」。
ちなみに「SAUVAGE」とは、「野性味、Wild Taste」という意味です。
みんなで唎酒をしています。
飲食店関係だな、と思ってお聞きしてみると、お一人はPham Viet Chanhでメキシカンの店をやっているそうです。
あとの方達はカリフォルニアから来たとのことで、ベトナム系アメリカ人だったのですね。
日本語の上手な方は、日本にいたことがあるとのことでした。
ベトナムに観光で来て、寄りによって日本酒専門の当店にお立ち寄りくださり、ありがとうございます。
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さて、日本人のお客様で、あれこれいくつか飲んでいただいた結果、
「やっぱり獺祭」
と言うお客様もいらっしゃいます。
いつも1本キープされて、その日のうちに1本、空けてしまわれます。
フルーティー系がお好きで、ですが他の純米大吟醸は薫りが強すぎる、味がゴージャスすぎる。
スッキリ切れが良く、飲み飽きしない、そして味が安定しているのが「獺祭」なのだそうです。
この方は「味覚」が重要なお仕事をしていらっしゃるので。
そのご意見は参考になります。
昨今、世界的にあまりに有名すぎることが「獺祭」が一部で敬遠される要因となっているようですが。
ブランド名で選ばれるのと同様に、ブランド名が災いしてしまうのは、いかに人は「ブランド名」に左右されるのかという証です。
先入観を持たずに、いろいろと試してみて「ご自分のスキ」を見つけて欲しいと思います。
当店では60mlずつ飲み比べができるため、「ご自分のスキ」を見つけていただくお手伝いをしております!