心を動かされた話
【安倍元首相の弔問記帳に行ってまいりました@ホーチミン総領事館】
朝10時。
列ができているのでは?と思っていたのですが、パスポートチェックが済むと、すぐに入館できました。
セキュリティーで一人ずつ、荷物、身体検査を済ますと、エレベーターで二階に。
6~7人の弔問客が、部屋の後ろに座って順番を待っておられ、
同時に4名が記帳しておられました。
祭壇には安倍元首相の、日本の半分ぐらいの大きさの遺影が祀られ、
両脇にスタンドや、花束の献花が並んでいました。
黒い服に身を包む人もいれば、Tシャツ、短パン、サンダル履きの中学生ぐらいの子どもたちも。
ベトナムの方が多かったです。
とても長く、記帳していらっしゃる方もいらして、
代表で記帳されているのかな?と思い、
ちょうど順番がその方の後になったので、
不躾だとは思いつつ、チラッと見ると。。。
ベトナム語で2ページにわたってびっしり綴られていました。
他の方たちも、何か書き込んでおられるようで、
記帳と聞いて、住所、氏名をずらりと並列で書き込む芳名帳をイメージしていた私は面食らってしまいました。
もちろん、思うように書くも良し、書かぬもよしなのですが、
せっかくだから、想いの一部でも綴ろうと書き始めたのですが、
こうしてペンで文章を書くのは、何年ぶりでしょうか…。
最後に、
「心からご冥福をお祈り申し上げます」と書こうとして、
「冥福」の字が出てきません。
さりとて、スマホをバッグから出すことはNGなため、調べることもできません。
「どうか安らかにお眠りくださいませ」
と最後に書いて、辞しました。
驚いたのは、ベトナムの方たちがみな、記帳の前後に、
安倍元首相の遺影に向かって、深々と長い礼をしていらっしゃったことでした。
私は神道ですから、「二拝二拍手一拝」なのですが、
さすがに二拍手は憚れ、二拝、拝んで一拝に…
などと愚にも付かないことを考えながら、悲しみと残念な気持ちを紛らわせながら、
総領事館を後にしたのでした。
10時半頃、外には少し列ができており、小雨が降って来ました。
※弔問記帳は、今日12日火曜日午後5時までです。
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日本では、長く沼に沈められた亡骸が引き上げられるかのように、
「罪」がその姿を現し始めたように思います。
私の母校や、父や母が教鞭を取っていた高校の名前が挙がって、
現場が奈良と言うことだけでも辛いのに、二重、三重のショックであり、
残念な気持ちでいっぱいです。
昨日、お客様から
「芹沢光治良の【人間の運命】という小説を思い出したよ」
と言われて。
とっさにその作家の名前が思い浮かびませんでした。
バブル下で、頭の中でミラーボールが回っていた10代か20代の頃の私は、
「巴里に死す」を読んだきりで、そのまま忘れ去っていました。
【人間の運命】とは、作者自身をモデルとした自伝小説であると同時に、
大正・昭和の激動の時代を背景に複数の人物の運命が描かれた大河小説でもある大作です。
「またゆっくりしたら、読みたいよ」
と仰っておられましたが。
今回のことは、時代と人間の性と業について、
根深いところまで考えさせられる事柄なのかも知れません。
この記事へのコメント
そうですよ、日々タイピングで綴っていると漢字が書けない。従ってノートは平仮名だらけとなって、読み返すと読み難く笑い出したくなります。記帳は住所氏名が普通でしょうが、一言添えるもあり。でもページをまたぐ程に言葉を綴るって、何か余程思うところがあったのでしょうね。
Posted by 古都雀 at 2022/07/12 14:55
古都雀さん
ほんと、書けなくなりましたねー。漢字。
ネット検索を封殺されると、もう、にっちもさっちも。
そうなんですね。一言添える場合もあるのですね。
個展や展覧会の記帳は、悦ばしい事ですので一言添えることもありますが。
ページをまたいで、びっしりでした。ベトナム語が読めませんので、何が書いてあるかは分かりませんが。
ほんと、書けなくなりましたねー。漢字。
ネット検索を封殺されると、もう、にっちもさっちも。
そうなんですね。一言添える場合もあるのですね。
個展や展覧会の記帳は、悦ばしい事ですので一言添えることもありますが。
ページをまたいで、びっしりでした。ベトナム語が読めませんので、何が書いてあるかは分かりませんが。
Posted by SAKE-KAMPAI
at 2022/07/12 18:57
