着物
【奥の深ーいお着物の話、ホーチミンの着物レベルが高い!】
ベトナムの縫い子さんを育てられ(現在200人いらっしゃるそう)
着物を日本に輸出されて来年で30周年。
渡部(わたのべ)衿子氏。
日本の女性起業家で、もっともベトナムで成功した方だ。
さらに着物はもちろんのこと、日本文化の普及に努めておられる。
日本酒も同様なのだが、まずは個人レベルで、日本人自らが、
自国の文化を世界に広めることができていないのが現状である。
衿子さんは、まずはホーチミン在住の日本人女性が、
手軽に自分で着物を着られ、愉しみを知って欲しいと活動をしておられる。
集まりやイベントにはお着物をお召しになり、
毎月「着物会」を開催、着物ショーも開催された。
ベトナムはアオザイ文化に代表されるように、
生地や刺繍のレベルの高さ、豊富さでASEANの中でも突出している。
特にタンディン市場は生地問屋として有名で、場所的にも便利なところにある。
みなさんそこで生地を購入して、仕立てたお着物をお召しになっているのである。
先日、衿子さんの仕事場兼お住まいにて行われる「着物談義」にご招待された。
まずは衿子さんお気に入りの「おはぎ」から頂戴する。
すべて日本の食材にこだわった日本人が、ベトナムで作る「おはぎ」は、
和菓子の豊富さや質においてはまだまだ途上のホーチミンで、絶品だった!
着物ショーのビデオを拝見した。
東南アジア特有のエキゾチックな柄や、南国の鮮やかな色や柄、
逆に絣に通ずる渋い色合いのものを、みなさん見事に着こなしておられた。
日本人男性のお着物姿、フランス人男性のお着物姿もあり、
夫婦ご一緒に、あるいはお子さんを抱いてのキャットウォーク登場は、
感動的ですらあった。
元々お美しい方ばかりモデルさんとして登場していたが、
普段のお洋服姿より、数段ゴージャスで華やか、それでいて上品だった。
ビデオ鑑賞の後は、衿子さん所蔵のお着物、襦袢、帯、小物の数々を拝見した。
30年以上前のご本人のものから、さらに代々受け継がれて来た着物や小物の数々。
仕立て直してデザインも一新で、オシャレに生まれ変わったお着物。
「震災の時に福島に置いていた着物が、みんな流されちゃって…」
紋付の大切な着物も流れてしまったそうだ。
さて。
今私は、ベトナムに着物7着、浴衣4着、帯5本持って来ているが、
衿子さん曰く。
「日本では大は小を兼ねるといってサイズ通りに仕立ててなかったり、
端折れば良いからと、自分に合ってないお母さまの着物を着てるけど」
身体に合ってない着物は、観る人が観たらすぐに分かるそうだ。
着るのに時間がかかるのは、サイズが合ってないこともあるという。
先日、昼飲みにいらした女性のお客様が、お仕事で着物を着ていらしたそうだが、
「寝坊して、最短、5分で着たことがある」
と話しておられた。
一度、フランス人デザイナーで小鼓奏者でもあるマヤさんと、
控室で同席させていただいたことがあったが。
舞台撮影を終えた私がカメラ2台と三脚を仕舞うのと、
小鼓を打っていた彼女が紋付の着物と袴を脱いで畳んで仕舞われるのとが同時だった。
そして、あっと言う間にお着物に着替えられて驚いた。
衿子さんのアドバイス通り、合わない着物は仕立て直し、
襦袢もサイズに合ったものを設え、早く着られるようになり、
仕事でも着られることを目標にしたい。