まめ情報心を動かされた話
【地下鉄工事、どうなる!?@ホーチミン、地下鉄一号線、見学して来た】
今や昔の夢物語。
現在、2020年をめどに、着々と工事が進められています。
ところが…。
昨日のニュースに、
「HCM市の地下鉄プロジェクト、
予定より遅れ続けると日越関係に影響がある可能性も」
という見出しが。
工事が大幅に遅れることによる
「日本からの資本の不適切な割り当て」が問題になっているというのだ。
つまり、当初の予算より、3倍近い47.3兆ドン(20.8億ドル)に
膨れ上がっている。
そしてこの問題は、続く2号線の工事にも当てはまるらしい。
さて、地下鉄1号線は、ベンタイン市場から、
オペラハウス脇の地下を通り、
レタントン通りとトンドクタン通りの間の地下を通り、
現在、都市開発が進んでいるグエンフーカン通り沿いの「ゴールデンリバー」を抜け、
9区の「スイティエン公園」までが予定されている。
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先日、アオザイ会主催の「地下鉄1号線、工事現場見学」に
行ってきた。
各地下鉄の駅は、標識や看板ではなく、
駅構内のデザインによって、一目でどこの駅か分かるようにして欲しいという、
ベトナム側の要望により、
たとえばオペラハウス駅は、
オペラハウス内の欄干の美しい網目模様と同じデザインを配し、
Bao Son駅は川の側なので、電車が停車するトンネル壁面には波の映像を設置し、
天井は波打つレリーフを施し、公園の樹々をイメージしたデザインを随所に配したそうだ。
その一方で、美しいだけでなく、
安全性を考えたスタンダードデザインも要所要所に配置されている。
停車駅の開口部に設置されたスクリーン式ホームドアは、
乗降客が線路に落ちない安全性と合わせて、
冷房効果が逃げない経済性も併せ持つ。
また、500万枚の接触型カード(SUICA、ICOCAのようなカード)も導入する。
世界初の地下鉄は、ロンドンの155年前
日本初の地下鉄、銀座線は90年前
シンガポールは30年前
今、やっとベトナムの地下鉄工事が始まったのだが、
先の3国は、すべて自己資金で賄っているのに対して、
ベトナムの場合、2400億円もの資金は借金。
返済するのに50年?100年?
現在、ハノイと同時に工事が行われているが、
一国で同時に工事が始まるのは、世界で初めてのことだそうだ。
ハノイでは2030年に、バイクの乗り入れを制限するそうだが、
地下鉄は網目のように張り巡らされてこそ利用価値があるが、
ぽつりぽつりと中途半端に伸びても、地下鉄駅を降車してからの足がなく、
結局、バイクに頼らざるを得ないため、
地下鉄完成=バイク渋滞の解消にはならないだろうとの見方もある。
ちなみに、
地下鉄車両など設備一式は日立製作所、
地下鉄工事は、清水建設・前田建設、
地下鉄工事が終了した後、
地下鉄の運営には東京メトロが5年間、サポートする。
ただ、オペレーションどころか、運転士がまだ一人もいない。
スクリーン式ホームドアに、ピタっと停車することなどできるのだろうか?
ということで、GPSとコンピューター制御で、万全を期すらしい。
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ヘルメットと安全チョッキを身に着け、いざ、トンネルの工事現場にGo!
元々川の側の泥地に作られた都市である。
地盤が弱く、場所によっては豆腐のように柔らかいのだそうだ。
しかも、まともな基礎工事をせずに建てられた建造物の真下。
たとえ工事が成功しても、電車の通過による振動、長い年月による経年劣化で、
上に乗っかっている建物自体が崩壊する危険性は十分にある。
また、「オペラハウスの真下は通すな」という注文により、
このトンネルは、「ひねりトンネル」になっているそうだ。
つまり、平行に走っている往路の線路が、
途中、上下に重なり、また平行走行になる…。
しかし、それをシールド掘削で実現する、
技術力の高さ、
安全性への確固たる信頼が、
世界トップレベルを誇る、日本には、ある。
一日10メートルずつ、250トンの大型重機で、尺取虫のように、掘り進む。
まだ線路のないトンネルが、
遠くまで続く様を目の当たりにしたときは、
感動で、鳥肌が立つ思いだった。
「日本では無事故無違反が100万時間を超すと、
安全性に富んだ優秀な工事だと評されるが、
おかげさまで、このベトナムの工事では、630万時間を超している」
と、太鼓判を押す。
それでも工事開始当初は工事現場に、
はだしでサンダル履きでやってくるベトナム人の作業員、
「ヘルメットって何?」
と聞き返す工員。
さぞかし、たいへんな道のりだっただろう。
至上の技術、最強の安全性を誇る日本、
どうか、1号線、2号線のみならず、ずっと日本によって、
ベトナムに、世界一の地下鉄網が張り巡らされて欲しい。
※工事見学は、写真・動画撮影は許可されていましたが、
一切の掲載は禁止されています。
よって過去写真より、地下鉄建設現場の囲いの写真を掲載しました。
この記事へのコメント
歩道も整備しないと地下鉄まで歩いて行けないのと、そもそも駅までの交通手段が不明なのと、料金がグラブバイクより高いと誰も乗らないと思います。駅の間隔が遠いのでバスターミナルとか作らないと難しいですが、駅の周辺の道路の形まで変えるのは深刻な渋滞を生むので無理です。日本人はそこまで誰も見越せないので予算が膨らむのは、私にしたら当然かなと。
Posted by 名無し at 2018/02/07 10:24
最初は、利用者は外国人か観光客が多いのでしょうか。。。
すべて借金で賄っているのも、問題ですよね。バスとの連携・・・みたいな話もあったような。
すべて借金で賄っているのも、問題ですよね。バスとの連携・・・みたいな話もあったような。
Posted by Nihonshu de kanpai!
at 2018/02/07 11:30

一日に250mなんて掘ってませんよ。1本目のトンネルが781mの長さで2017年5月下旬からシールド機で堀り始め、10月下旬に貫通ですから。。。5ケツ月で781m以下です。月進160mです。
1日8m以下だと思います。
1日10m掘れば月進200mから250mはいくと思いますが、実際はそんなに迅速に掘っていません。日本人エンジニアがベトナム人にシールド機について要所、要所を教えながら掘っていると思います。よって掘進ペースは通常、日本で掘るペースよりも遅いです。
1日8m以下だと思います。
1日10m掘れば月進200mから250mはいくと思いますが、実際はそんなに迅速に掘っていません。日本人エンジニアがベトナム人にシールド機について要所、要所を教えながら掘っていると思います。よって掘進ペースは通常、日本で掘るペースよりも遅いです。
Posted by 日本語教師 at 2018/04/03 19:43
(前文の一行目) 一日に250mなんて掘っていません。
(訂正)一日に10mなんて掘っていません。
あとメトロ2号線に関しては、2017年9月にホーチミン人民委員会がフック首相に対して「着工を2020年に延期するように。」と要請し承認されていると思います。 よって、ホーチミン市のメトロで着工されているのは1号線だけです。
(訂正)一日に10mなんて掘っていません。
あとメトロ2号線に関しては、2017年9月にホーチミン人民委員会がフック首相に対して「着工を2020年に延期するように。」と要請し承認されていると思います。 よって、ホーチミン市のメトロで着工されているのは1号線だけです。
Posted by 日本語教師 at 2018/04/03 19:51
「日本語教師」さん
お詳しいですね。
掘削は「シールド工法」により、分割されたブロック(セグメント)を組みたてて、「シールド」と呼ばれる筒状の壁を構築することで、掘り進めていました。
担当者の方の説明では、このシールドマシーンで構築されるシールドの規格サイズ(幅=奥行き)が10mと仰っておられたのだと思います。
その壁面が、一日に一輪っか分、構築されるということでしたので、一日、およそ10m進む、といった感じなのだと、理解しました。
その輪っかが、一日でできない場合もあるかも知れません。
たとえば、ベトナム政府の要望(ひねりトンネルを余儀なくされたり)や、地盤の脆弱さによる再調査ということも、工期が伸びる要因かも知れませんね。
お詳しいですね。
掘削は「シールド工法」により、分割されたブロック(セグメント)を組みたてて、「シールド」と呼ばれる筒状の壁を構築することで、掘り進めていました。
担当者の方の説明では、このシールドマシーンで構築されるシールドの規格サイズ(幅=奥行き)が10mと仰っておられたのだと思います。
その壁面が、一日に一輪っか分、構築されるということでしたので、一日、およそ10m進む、といった感じなのだと、理解しました。
その輪っかが、一日でできない場合もあるかも知れません。
たとえば、ベトナム政府の要望(ひねりトンネルを余儀なくされたり)や、地盤の脆弱さによる再調査ということも、工期が伸びる要因かも知れませんね。
Posted by Nihonshu de kanpai!
at 2018/04/04 10:51

<ホーチミン市の地下鉄>
1号線 日本の政府開発援助(ODAに省略)
2号線 ドイツの資金援助
3号線 日本のODA
5号線 アジア開発銀行(580億円)。ホーチミン市(566億円)。スペイン政府(336億円)ドイツ復興金融公庫(245億円)。この中ではアジア開発銀行による投資が最大。アジア開発銀行の筆頭株主は日本。歴代頭取はすべて日本人。
この中で注目すべきはタンソンニャット空港の最寄りへ到達する2号線と5号線ですね。重要な路線です。ドンナイ省ロンタインに新国際空港が計画されていますが、新空港の滑走路は2本で開業予定です。とりあえずは新空港とタンソンニャット空港による「2空港体制」でいくようですね。
日本の経済産業省の調査チームによると、1号線のドンナイ省とビンズン省への延伸を最優先させることが決まっています。ヌッザオ交差点で東北方面と北西方面へと二又に別れていきます。
ホーチミン市人民委員会の本音は都市部をもっとシールド機で掘っていきたい。今すぐにでも3A号線に着手したいようですが、「1号線のドンナイ延伸に関して日本は本気だ。」と気付いてますね。ドンナイ延伸は鉄板のように堅い。ビンズオン省(平陽省)は日系の工業団地が多く、イオン・モールもあり、東急不動産によって東京の田園調布をイメージしたような街つくりを推進しています。路線バスとして東急バスも営業されています。今、最も日本とのつながりが深い地区です。
私の希望ですが、日本のODAで5号線の1期工事だけは参加してもらいたいですね。なぜならサイゴン橋で1号線と接続されるからです。日立の車両がタンソンニャット空港の最寄駅へ到達する。これは重要なことだと思います。
そこで私の提案としては、5号線の1期工事(サイゴン橋からバイヒエン)を工事名「1-TSN」として1号線の工事に組み込む。ここに日本のODAを投資する。 これをやってほしいです。
ベンタイン~スオイテン 工事名「1-A」
スオイテン~ヌッザオ 工事名「1-N」
ヌッザオ~ビンズオン省 工事名「1-B」
ヌッザオ~ドンナイ省 工事名「1-D」
バイヒエン~サイゴン橋 工事名「1-TSN」
ここまで日本のODAでやれば、ホーチミン市内の地下鉄網を日本企業がほぼ独占できます。中心街ヘノルート良し。空港ルート良し。新空港良し。と日本製で独占できます。
1号線 日本の政府開発援助(ODAに省略)
2号線 ドイツの資金援助
3号線 日本のODA
5号線 アジア開発銀行(580億円)。ホーチミン市(566億円)。スペイン政府(336億円)ドイツ復興金融公庫(245億円)。この中ではアジア開発銀行による投資が最大。アジア開発銀行の筆頭株主は日本。歴代頭取はすべて日本人。
この中で注目すべきはタンソンニャット空港の最寄りへ到達する2号線と5号線ですね。重要な路線です。ドンナイ省ロンタインに新国際空港が計画されていますが、新空港の滑走路は2本で開業予定です。とりあえずは新空港とタンソンニャット空港による「2空港体制」でいくようですね。
日本の経済産業省の調査チームによると、1号線のドンナイ省とビンズン省への延伸を最優先させることが決まっています。ヌッザオ交差点で東北方面と北西方面へと二又に別れていきます。
ホーチミン市人民委員会の本音は都市部をもっとシールド機で掘っていきたい。今すぐにでも3A号線に着手したいようですが、「1号線のドンナイ延伸に関して日本は本気だ。」と気付いてますね。ドンナイ延伸は鉄板のように堅い。ビンズオン省(平陽省)は日系の工業団地が多く、イオン・モールもあり、東急不動産によって東京の田園調布をイメージしたような街つくりを推進しています。路線バスとして東急バスも営業されています。今、最も日本とのつながりが深い地区です。
私の希望ですが、日本のODAで5号線の1期工事だけは参加してもらいたいですね。なぜならサイゴン橋で1号線と接続されるからです。日立の車両がタンソンニャット空港の最寄駅へ到達する。これは重要なことだと思います。
そこで私の提案としては、5号線の1期工事(サイゴン橋からバイヒエン)を工事名「1-TSN」として1号線の工事に組み込む。ここに日本のODAを投資する。 これをやってほしいです。
ベンタイン~スオイテン 工事名「1-A」
スオイテン~ヌッザオ 工事名「1-N」
ヌッザオ~ビンズオン省 工事名「1-B」
ヌッザオ~ドンナイ省 工事名「1-D」
バイヒエン~サイゴン橋 工事名「1-TSN」
ここまで日本のODAでやれば、ホーチミン市内の地下鉄網を日本企業がほぼ独占できます。中心街ヘノルート良し。空港ルート良し。新空港良し。と日本製で独占できます。
Posted by 日本語教師 at 2018/04/11 12:13