【離婚の原因?それ、視聴者が知りたい情報ですか?】
とあるテレビ局の番組の制作スタッフと名乗る人から
「あなたのことを、(ホーチミンで)取材をしたいのですが、
その前に、電話でヒアリングできますか?
と連絡がありました。
どうやら、私のブログをご覧になったようです。
テレビ局のホームページを拝見すると、
「こんなところに日本人が…」ではありませんが、
それに類似した番組で、
海外在住の日本人たちの、
ドキュメントのような、バラエティーのような番組のようです。
ホーチミンに来て、まだ一年半の私には、
過去番組で紹介された人たちのような立派な経歴も実績もありませんので、
正直なところ、困ったなと…。
ですが、相手もプロですので、そこはおまかせして、
とりあえず電話対応はさせていただこうと思いました。
約束の日時に、電話は掛かってきました。
年令、本名、出身地、出身大学、卒業してからどういう職歴で、
これまで、どういう人生を歩んで来たか…。
自分の人生を、特に面白おかしく、
あるいはドラマチックに語りたいとも思わないので、
平々凡々と、事実だけ並べたのですが…。
もっと面白い人、ホーチミンにはいっぱいいるのに、
「なんで、私なんだろー」
と、そろそろ後悔しだした頃(小一時間ぐらいでしょうか)、
一旦、質問は打ち切られました。
翌日また、電話が掛かってきました。
「ところで、離婚なさったそうですが、どのような理由で?」
はぁ???
想像するに、そのまだ新人ぽい話し方をするテレビマンは、
上司のディレクターに、
「もっと面白い話はないのか!」
とでも言われたのではないでしょうか。
彼も仕事ですから・・・そう言われたら聞かざるを得ない。
「いえ、よくある性格の不一致です」
と答えて、さらに彼を失望させたような気がします。
もう10年以上も前の話しですし、
離婚の原因を、テレビで放映してもらおうと思う人、いるでしょうか?
結局この件は、他に同時進行で進んでいた取材対象者に、
話が決まったようです。
これまでにも何度かNPOの活動で、
テレビや新聞で取材をしていただき、
放映や掲載もされましたが、
話が流れて、心底ホッとしたのは初めてです。
海外の情報を伝えてくれるのはありがたいし、
すばらしいことだとは思いますが、
今どきホーチミンあたりぐらいで、
「こんなところに日本人」的な発想は、いかがなものかと。
日本ではとかく、
「海外で暮らしている、仕事をしている」というだけで、
なんだか特別のことのように思う人が多いようです。
中にはドラマチックな経緯でベトナムに来られた人もいるでしょうが、
多くの人たちは、それぞれのつながりの中で、
普通に仕事しに来ていますから。。
取材するなら、日本酒がベトナムにも輸出されていて、
がんばって渡越されてくる蔵元さんが大勢いる中、
その橋渡しをしようとしているが、
なかなか形に成らないもどかしい現状にフォーカスしてくださって、
少しでも応援をして欲しいと思います。
