イベント
「日本酒で学ぶ日本の文化」講座が開催されました。
二週間前に参加者を募集したところ、わずか3時間足らずで定員数の25名に達し、
10名ほどキャンセル待ちを確保して、その日のうちに〆切となりました。
対象は、アルコールが飲める年齢以上のベトナム人の、学生さんと社会人の方です。
2022/05/24
【3時間で満員御礼になりました。ありがとうございます!】
https://sake.vietnhat.tv/e53711.html
「みなさんちゃんと来てくださるかしら?」という杞憂をよそに、
当日は、応募確定された全員が参加。
見学のゲストが4名。
さらに、隣の教室で自主練をしていた学生さんたち7名も、
「ちょっとだけでも観たい」と途中から飛び入り参加してくださり、
教室は40名ほどになり、熱気むんむん!
特に女性の方が4分の3の人数を占めたのは予想外でした。
ハノイから、土井克馬新所長がお見えになり、
挨拶に始まり、まずはウォーミングアップの日本酒クイズから。
日本酒を飲んだ方は3分の1ぐらいという中、
意識高い系の方たちは、漢字テストを見事にクリア!
※井下田深雪先生撮影
続く日本酒テストでは、「日本酒」と「焼酎」は同じ仲間か?
で案の定、蒸留酒と醸造酒の違いが分からず、不正解が続出。
※井下田深雪先生撮影
続いて月森が「日本酒の基礎」として、
日本酒とは?、アルコール類のカテゴリー、製造の違い、
日本酒の種類、飲み方、燗酒、酒器、簡単なペアリング、マナーや健康、ルールにいたるまで、
14ページのスライドを使って説明しました。
風味の説明では、たとえば「青りんごのような香り」「梨のような香り」
「喉越しスッキリ」「クリアな味わい」「フルボディ」という表現が、
そもそもベトナムに(今は)概念すらないため、
栗田恵美子先生にも間に入っていただきましたが、
通訳の人に伝えるのに苦労しました。
続いて、平和酒造さんの柴田英道杜氏のお話をお伺いいたしました。
平和酒造さんの歴史と酒蔵を取り巻く環境、酒造りについて。
そして今、平和酒造さんが参画中である、
ベトナム最大規模のクラフトビールメーカーの
日本酒蔵設立プロジェクト(ホーチミン市)について。
※井下田深雪先生撮影
参加者のみなさんは、食い入るように熱心に話を聞いておられ、
話が終ってからも次々と活発に鋭い質問が出ました。
そして選ばれた2名の方の試飲会。
日本酒を初めて飲む女子学生さんと、日本に3年いて、日本酒を良く飲んだと言う男性。
※井下田深雪先生撮影
平和酒造さんの「紀土 大吟醸」と「紀土 純米吟醸」の飲み比べをしていただきました。
日本の方も同様ですが、「飲み比べる」と違いが分かるようです。
さすがに日本酒を良く飲むと言う男性は、風味の表現が的確です。
ですが、どちらがどの酒かを当てたのは、初めて飲んだと言う女性の方でした。
You Tubeなど観ていると、ソムリエの方でも、外すことはよくあることなので、
問題は「当てっこ」ではなく、「どちらが自分の好みか」を知ることだと思います。
※田幡正明氏撮影
最後に。
参加者全員に、試飲用として、
平和酒造さんの「紀土 純米大吟醸」(60ml)をお持ち帰りいただきました。
ゲストに、次回は別の大学でも日本酒イベントを!と、今回の講座の実現にご尽力くださった井下田深雪先生、
寿司職人で酒ソムリエの田幡正明さん(SEEKERS CO., LTD)にもご参加いただきました。
また、広島が生んだ「吟醸酒の父・三浦仙三郎」の精神を継ぐ蔵人たちの映画
「吟ずる者たち」(油谷 誠至:監督)のプロモーションビデオ(2022年日本全国公開予定)や、
平和酒造さんのYou Tube動画も流され、たいへん内容の濃い講座となりました。
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講座終了後、有志の方だけで、【蔵 KURA】Kaku-Uchi&SAKE Shopにて
試飲会プラス、懇親会を行いました。
9名の参加者のみなさまと、柴田杜氏さん、私と11名。
会場では試飲できなかった人たちも含めて試飲会がはじまり。
みなさん紀土の「純米吟醸」「大吟醸」を飲み比べられ、その違いを味わっておられました。
「紀土 無量山 純米吟醸」の精米歩合が50%であることから、
「これは正確には大吟醸ではないか?」
という鋭い質問も投げかけられました。
どういう酒を醸すか、風味のデザインや蔵元のコンセプトにより、
日本酒はまさに千差万別の多様性を秘めており、
それを個性とイノベーションと受け止めることによって、
日本酒の可能性はさらに無限大に広がってゆくのですね。
※田幡正明氏撮影
「大盛況!」「大人気」「大成功!!」という実績を積ませていただいて、
さらに他の大学でのワークショップ、試飲会、イベントへと拡大していきたいですね!
と酒ラバーおよび日本文化普及隊のみなさまと、ワクワクしています!